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遺留分侵害額請求を受けて支払えないときの対処法

遺留分侵害額請求を受けたものの、すぐに現金を準備できず困っている方は少なくありません。

特に、不動産や事業用資産を相続した場合には、一括で金銭を支払うことが難しいケースもあります。

本記事では、遺留分侵害額請求を受けたとき、金銭を支払えないときの対処法について解説します。

遺留分侵害額請求とは

遺留分侵害額請求は、遺言や生前贈与によって遺留分を侵害された相続人が、一定額の金銭支払いを求める制度です。

民法では、一定の相続人に最低限の取り分として遺留分が認められています。

そのため、遺言などによって特定の相続人へ多くの財産が渡された場合には、他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。

金銭で支払う必要がある

現在の遺留分制度では、原則として金銭で支払う必要があります。

そのため、不動産を相続した場合でも、請求を受けた側は現金を準備しなければならないケースがあります。

ただし、相続財産が不動産中心の場合には、直ちに現金化できないことも少なくありません。

高額請求になるケースもある

遺留分侵害額請求では、数百万円から数千万円規模になるケースもあります。

特に、次のようなケースでは高額化しやすくなります。

 

  • 不動産評価額が高い
  • 相続財産が多い
  • 生前贈与がある

 

そのため、請求を受けてもすぐに支払えないケースがあります。

支払えない場合に利用できる猶予制度

民法には、遺留分侵害額請求を受けた側のために、支払期限の猶予制度が設けられています。

支払猶予制度

民法では、裁判所が支払期限の猶予を認められる制度が定められています。

この制度では、請求を受けた側が裁判所へ申立てを行い、相当期間の支払猶予を求めることができます。

つまり、一括払いが困難な場合でも、事情に応じて支払時期を調整できる可能性があります。

どのような場合に猶予が認められるか

猶予制度では、直ちに支払うことが困難である事情を説明する必要があります。

たとえば、次のような事情です。

 

  • 相続財産が不動産中心
  • 事業用資産を相続している
  • 預貯金が少ない
  • 生活資金に余裕がない

 

もっとも、単に支払いたくないという理由では認められません。

裁判所は、資産状況や支払能力などを踏まえながら、個別事情を総合的に判断します。

猶予制度を利用する際の実務対応

支払猶予を求める場合には、適切な準備が重要になります。

財産状況を整理する

裁判所へ猶予を求める場合には、支払困難な状況を客観的に示す必要があります。

たとえば、次のような資料が問題となります。

 

  • 預貯金資料
  • 不動産評価資料
  • 収入資料
  • 事業資料

 

不動産が中心で流動資金が不足していることなどを、具体的に説明する必要があります。

早めに対応することが重要

遺留分侵害額請求を放置すると、訴訟提起や強制執行へ進む可能性があります。

そのため、請求を受けた段階で早めに状況を整理し、方針を決定することが重要です。

特に、裁判所へ猶予を求める場合には、訴訟手続の中で適切に主張する必要があります。

猶予制度以外の対応方法

支払猶予制度以外にも、状況に応じた対応方法があります。

分割払いの協議

まず、遺留分権利者との協議によって、分割払いの合意を目指す方法があります。

一括払いが難しい場合でも、毎月分割で支払うことで合意できるケースがあります。

不動産売却や借入れ

相続財産である不動産を売却し、支払資金を確保するケースもあります。

また、不動産を担保として借入れを行い、遺留分侵害額を支払う方法も検討される場合があります。

もっとも、売却や借入れには時間がかかる場合もあるため、その間の猶予対応が問題となるケースがあります。

放置するリスク

遺留分侵害額請求を放置すると、法的リスクが生じる可能性があります。

訴訟や強制執行の可能性

請求に応じない場合には、遺留分侵害額請求調停や訴訟へ発展する可能性があります。

判決確定後も支払わない場合には、預貯金や不動産に対する強制執行が問題となるケースもあります。

遅延損害金が発生する場合がある

支払が遅れることで、遅延損害金が発生する可能性もあります。

そのため、「支払えないから放置する」のではなく、早めに対応策を検討することが重要です。

弁護士へ相談するメリット

遺留分侵害額請求では、支払額や猶予方法について法的判断が必要になるケースがあります。

弁護士へ相談することで、次のような対応を進めやすくなります。

 

  • 支払猶予の主張整理
  • 財産資料整理
  • 分割交渉
  • 裁判対応

 

また、相続財産や支払能力を踏まえながら、現実的な解決方法を検討しやすくなります。

まとめ

遺留分侵害額請求を受けた場合でも、直ちに一括払いができないケースは少なくありません。

特に、不動産や事業用資産を相続した場合には、現金を準備することが難しい場合があります。

もっとも、民法には、裁判所へ支払期限の猶予を求められる制度が設けられています。

また、分割払いの協議や不動産売却、借入れなど、状況に応じた対応方法を検討することも重要です。

請求を放置すると、訴訟や強制執行につながる可能性もあるため、早めに対応方針を整理する必要があります。

遺留分侵害額請求への対応に不安がある場合には、早めに弁護士へ相談し、状況に応じた対応を検討することをおすすめします。

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大澤栄一弁護士の写真

問題を抱えたお一人おひとりのお話を丁寧に聞き取り、相談を終えた後には、笑顔で家路につけるような対応を心がけております。事案によっては、複数の弁護士がチームを組んで依頼者様を強力にサポート致します。

  • 弁護士
    大澤 栄一(おおさわ えいいち)
  • 経歴
    • 平成9年3月 一橋大学法学部卒業
    • 平成9年10月 司法試験合格
    • 平成10年4月 最高裁判所司法研修所入所
    • 平成12年3月 最高裁判所司法研修所卒業
    • 平成12年4月 弁護士登録、新麹町法律事務所入所
    • 平成17年3月(~平成18年2月)日本弁護士連合会代議員
    • 平成17年4月(~平成18年3月)東京弁護士会常議員
    • 平成21年12月(~平成25年11月)東京弁護士会綱紀委員
    • 平成25年4月(~平成26年3月)関東弁護士連合会理事
    • 平成27年4月(~現在)関東弁護士連合会「法曹倫理教育に関する委員会」事務局長
    • 平成30年4月 (~現在) 東京都弁護士協同組合総代
    • 令和2年4月 (~令和3年3月) 東京弁護士会常議員
    • 令和2年・3年 法政大学 臨時講師
  • 趣味
    プロ野球観戦、格闘技観戦、コンサート鑑賞
  • 学生時代
    野球(小学校)、陸上(中学校。国立競技場での大会に参加したこともあります!)、ハンドボール(高校)、ソフトボール(大学)

事務所概要Office Overview

名称 新麹町法律事務所
代表者 大澤 栄一(おおさわ えいいち)
所在地 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-7-4 秩父屋ビル5F
TEL・FAX TEL:050-3138-2490 / FAX:03-3234-0510
対応時間 平日 / 10:00~17:30まで ※事前予約で時間外の対応可能
定休日 土・日・祝 ※事前予約で休日も対応可能
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