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請負契約書とは?書き方のポイントも併せて解説

法人の経営をされている方の中には、契約書作成時その書き方についてお困りの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、特に請負契約書に焦点を当てて詳しく解説をしていきます。

 

◆請負契約書とは
請負契約書は、請負契約を締結する際に作成する契約書となっています。
請負契約とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効果を生ずる(民法632条)」契約となっています。

 

請負契約の典型例としては、住宅建物の建設工事があげられます。それ以外にもホームページの制作やITシステムの構築など、電子上のものを目的とする場合にも、請負契約に分類されることとなります。

 

これに似た契約類型として委任契約と呼ばれるものがあります。
委任契約の場合には、契約の目的物が法律行為となっており、例としては弁護士に訴訟や交渉などの依頼をするものが委任契約となっています。
また、準委任契約というものもあり、こちらは法律行為以外の行為を委任するものとなっています。医師に治療を依頼する契約は準委任契約となっています。

 

また、報酬の支払いについても違いがあります。

 

請負契約の場合には、仕事の完成と引き渡しをしなければ報酬を請求することはできませんが、委任契約の場合には、委任事務の履行さえすれば報酬を支払ってもらうことができます。
また、委任契約は履行の成果を約束した場合には、成果の引き渡しをしなければ報酬を支払ってもらえないといった形の契約をすることも可能となっています。

 

◆請負契約書の書き方
請負契約書の書き方のポイントについて解説をしていきます。
請負契約では、売買や賃貸借とは性質の異なるトラブルが起きることが多くなっています。
そのため、民法の規定に沿った契約条項をしっかりと設けておくことで、トラブルを未然に防ぐことが重要になってきます。

 

以下に、詳しい解説とともに請負契約書で必ず記載をしておかなければならない事項について紹介をしていきます。

 

①委託料
請負契約では、委託料をいつ、どのようにして支払うのかを明示することが重要となります。
民法では、仕事の目的物の引き渡しと同時にとされていますが、同時に支払われるというケースは多くありません。
納入後に、納品された成果物に異常がないか、などを先方が確認した上で支払うという方法が取られることが一般的なものとなっています。

 

そのため、いつ、どのように支払うのかということを定めておくことが重要となります。

 

②成果物
請負人が何をどこまでやるのかというのは、報酬にかかわる重要なものとなります。
そのため、成果物については、できるだけ具体的かつ明確に記載をしておく必要があります。より具体的にするために、契約書に別紙を添付するという方法もあります。

 

③納入方法
請負人は、いつまでに仕事を完成させ、納品・納入をするのかなどの納入方法についてもしっかりと定めておきましょう。
また、納期に間に合わない場合には、どうするのかについても決めておくとトラブルを防ぐことができます。
こちらに関しても、成果物の詳細と併せて別紙を添付するという形をとることがあります。

 

④検収基準
検収とは、成果物の納入に対して、注文者がその成果物で納品とするかどうかを確認する作業です。
契約書で検収を行うということに加えて、可能であれば、どのような基準によって検収するかについて明示をしておきましょう。
また、いつまでも猶予期間を与えてしまうとこちらが不利になってしまうため、「◯日以内に意義がない場合には納品とみなす」といった規定を入れることが多くなっています。

 

⑤契約不適合責任
契約不適合責任とは、完成した仕事の目的物が、数量、品質、種類のいずれかにおいて、契約の内容に適合しないことが判明した場合に、請負人が負うこととなる責任を指します。

 

基本的には、保証期間を定め、その期間内に不適合が発見された場合には、請負人が無償で修補を行う旨の内容を定めることとなります。

 

また、民法では、注文者が契約不適合を主張することができる期間の制限が設けられており、不適合を知った時から1年以内に注文者に責任追及をしない場合には、追完、損害賠償請求、契約の解除ができなくなるとされています(民法637条)。

 

⑥知的財産権
成果物の内容によっては、著作権などの知的財産権が発生することとなります。
後になって、成果物の知的財産権が請負人と注文者のいずれに帰属するかについて争いとなるケースがあるため、事前に権利の帰属主体について定めておくことをお勧めします。

 

⑦契約の解除
どのような場合に契約解除をすることができるのかについて明確に定めておきましょう。
一般的な契約解除となりうる事由としては、当事者のいずれかの契約違反や背信行為、信頼関係が損なわれるような行為があった場合とされています。
また、解除には催告解除と無催告解除の二種類があるため、契約書に定める解除に催告が必要か否かについても確認をしておく必要があります。

 

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  • 弁護士
    大澤 栄一(おおさわ えいいち)
  • 経歴
    • 平成9年3月 一橋大学法学部卒業
    • 平成9年10月 司法試験合格
    • 平成10年4月 最高裁判所司法研修所入所
    • 平成12年3月 最高裁判所司法研修所卒業
    • 平成12年4月 弁護士登録、新麹町法律事務所入所
    • 平成17年3月(~平成18年2月)日本弁護士連合会代議員
    • 平成17年4月(~平成18年3月)東京弁護士会常議員
    • 平成21年12月(~平成25年11月)東京弁護士会綱紀委員
    • 平成25年4月(~平成26年3月)関東弁護士連合会理事
    • 平成27年4月(~現在)関東弁護士連合会「法曹倫理教育に関する委員会」事務局長
    • 平成30年4月 (~現在) 東京都弁護士協同組合総代
    • 令和2年4月 (~令和3年3月) 東京弁護士会常議員
    • 令和2年・3年 法政大学 臨時講師
  • 趣味
    プロ野球観戦、格闘技観戦、コンサート鑑賞
  • 学生時代
    野球(小学校)、陸上(中学校。国立競技場での大会に参加したこともあります!)、ハンドボール(高校)、ソフトボール(大学)

事務所概要Office Overview

名称 新麹町法律事務所
代表者 大澤 栄一(おおさわ えいいち)
所在地 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-7-4 秩父屋ビル5F
TEL・FAX TEL:050-3138-2490 / FAX:03-3234-0510
対応時間 平日 / 10:00~17:30まで ※事前予約で時間外の対応可能
定休日 土・日・祝 ※事前予約で休日も対応可能
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